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わすら雑記
趣味の工作、DIY等の雑記
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たらもと

Author:たらもと
「わすら」とは関東地方の一部で使われる方言で、標準語でいうところの「いじくる」の意味なのですが、このブログでは日曜大工をベースに趣味の範囲でいじくれそうな物を色々とわすらしてゆきます。



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盛者必衰・足尾銅山「細尾峠」(旧道)


細尾峠は日光市と足尾町(現・日光市)を結ぶかつての国道122号の山越え区間であり、昭和53年(1978)日足トンネルの開通に伴い国道指定から外れ格下げとなった。細尾峠は足尾銅山の隆盛と供に発達し、かつては多くの人や物資が行き来する大幹線となるも、銅山の衰退とその運命を供にし今に至る。旧道となった現在はハイキングコースとしての役目を担い、必要最低限の整備が行われ四輪車での通行も概ね可能な“活きながらえている旧道”でもある。そんな細々とした静かな静かな、長い長い峠道を辿るサイクリング。



さて、まずは地図をご覧いただきたいのですが(カーソル・オンで古地図に切替)、このコースは「ザ・九十九折」とも言える峠道で、距離はおおよそ12km、標高差400m、平均勾配は約7%という、山岳サイクリングとしては非常に「満足感」のあるコースです。今回は日光市をスタートし、まずは現道である日足トンネルを抜けて一旦足尾方面へ向かい、踵(きびす)を返して足尾側の旧道起点から細尾峠を目指し、終点の日光市へ降りてくるというルートです。

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といったわけで、まずは日光側からの日足トンネルの眺め。一見して何でこんなビルディングみたいな姿なのか、詳しくは分からないのですがこれは通路を換気する排煙設備か何か?と思うのですけど。。ちなみに日足トンネルの開通は昭和53年(1978)で延長は2,765m…え?そんなに長いの?などと少し沈痛な気持ちになるのですが、チャリにとってトンネルは暗くてジメジメして狭くて、クルマがゴウンゴウンと猛スピードで横をスレスレで通り抜ける危険な場所でしかなく、それが長ければ長いほど苦痛もまた増えるもので、この段階で一抹の不安をおぼえるのも致し方ありますまい(汗)

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そしてここが内部からの眺め、少し先から普通のトンネルの洞門がありこのビルディング的な構造物が被せてある感じが何気に余計というか不自然です。もしかして後付けされたものだったり?
それから、ご覧の通り歩道はほぼありません(泣)あるのは激狭の災害時避難通路だけで、ここを綱渡りのごとくノロノロと徐行するか、車道を激走して一気に通りすぎるかを選択せねばなりませんが、2,765mもありやがるので今回は非難通路をヨロヨロと徐行しました。というかトンネル内部の構造にちょっと興味があったので途中で非常装置や待避所、ジェット排気装置などをゆっくり見学できてそれなりの収穫ではありました。ちなみに壁面から水が滴って床がぬかるんでいる所が度々あり、多くの車輪跡が残っていて意外とチャリの往来は少なくはない様子でした。でも正直もうここは通りたくない。

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トンネルを抜けて少し下ると左手に旧道の入り口があり「クマ全開」な看板が出迎えてくれるのですが、ここには細尾峠に関する案内板があり、そこに峠の分かりやすい概略が記されているので以下に転載します。

足尾と日光の境に位置する細尾峠は、古くは日光山僧徒が峰修行の道として開いた。以後、足尾銅山の発見により往来が盛んになり、明治時代には銅山発展とともに道路を拡張し、峠には停場が設けられ荷物交換の行列で賑わった。更に輸送拡大のため、明治23年(1890)に日本最初の鉄索が峠の両側に架設されたが「足尾鉄道(現・わたらせ渓谷鉄道)」の開通により利用は減退した。昭和11年(1936)に自動車道として改修され足尾の大幹線となったが、昭和53年(1978)に待望の「日足トンネル」が開通し静寂な峠となった。<日光市>

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さて、ここはあくまで旧道であり廃道ではないので最低限の管理はされているのですが、旧道に入ってすぐに小型のブラウン管テレビぐらいの岩がゴロゴロ転がってるのを見る限り「その最低限の維持管理ってのがコレかよ?手ごわいな!」とつい思ってしまったりして。。ちなみに路肩の草が刈り払いされているのが見えるでしょうか?この日は除草業者の方が入っておりました。

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少し進むとゲートがあり、冬場は閉鎖されるようなので通行するなら初夏~秋頃が良いのではないでしょうか。ちなみにここにも案内板があるのですが、徒歩での所要時間などハイキング向けの内容が記載されていました。そしてこんな事が書いてありますので以下転載。

*注意* この峠道は一般道を利用したものです。一般車両も通行しますので、散策には充分ご注意ください。

そうか。。かつての国道も今の肩書きは「ハイキングコース」ということか。。でもまぁこうして残ってくれてるだけで充分ですけどね。チャリ乗りはトンネル嫌いだし。

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途中で横切るいくつかの沢にはいちいち古そうな橋が架かっていて気になるので写真に収めてみたのですが「昭和拾年拾弐月」となっていて、昭和11年(1936)の自動車道への改修工事の時の物と一致するようです。
ちなみにそれ以前の道路は明治10年(1877)に足尾銅山の経営が古河財閥に移ってより活発化し、明治17年(1884)には荷馬車道に改修、明治23年(1890)には索道(ロープウェイ的な輸送装置)が設置され、その後輸送手段はトラックが主体となりこの自動車道への改修に至ったようです。

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そして道を漕ぎ進むと見事な九十九折に。古地図では「地蔵坂」と表記されているあたりかと思うのですが、それにしても見てくださいよこの石垣。「どんだけ積み上げたんだよ!?」と思わずのけぞるほどの圧巻の高さ。しかし裏を返せば一回のターンでこれだけの高低差が付くという事は、それだけキツイ勾配という事でもあり、坂道好きにはゾクゾクするものがあるのもまた事実(笑)

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朽ちた標識がまたイイ味を醸し出してますが、肝心の数字はあまり穏やかではない。ちなみに、この旧道には歴史的な遺構はそう多くはなく、所々にこうした標識があるに留まりますが、一応クルマも通れる道である以上はこれらも現役の器物となりますので、面白半分に手を触れないようご注意ください。ちなみに自然公園内では草木一本切り取っただけで罪に問われる事もあるので、重ねてご注意を。

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このあたりが古地図での「太郎茶屋」のちょっと手前あたりかと思うのですが、ちょうど森が途切れて陽光が広がり、また少し違った峠の表情が楽しめる感じです。まぁ、この道はおおむね高い石組や緑、カサついたアスファルト、落葉、壊れた表示器類といった景色ではあるのですが、そういったものに囲まれ「そのどれもが今、瞳の中のオレの所有物なんだ!」と思うと興奮を禁じ得ません。

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おっと、今度は路肩が急に絞られて幅員が減少してますね。ちゃんと誘導ポールや林道の路肩によくあるコンクリート盛の丸縁石もあるので、最近手を加えられた物のようです。

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そして、原因は「やっぱりこれか」という感じで、路肩がゴッソリ崩落していますね。ここは直すよりもいっそ破棄して幅員を絞ったのでしょうか。まぁ旧道に費やせる予算は限られていますので仕方がないとは思いますが、それでもまだこの道路は幸せなほうで、走っていて所々が結構補修されているのが目に付き、むしろハイキングコースとしてみれば破格の予算が投じられているように思います。

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そして、近くをウロウロしたときに偶然見つけた小さな祠。路肩の崩落で停車していなければ普通に通り過ぎてしまったであろう小さな神社ですが、小さな丸石が御神体として祭られていてかわいらしい。石碑には「山神社 明治四十四年十二月 砂防工 神山○○(おそらく個人名/視認ならず)」とあり、砂防工事関係者が個人で建立したものなのでしょうか?まさか工事殉職者の供養?…なワケでもないか。。
ちなみに明治43年(1910)には日光駅と馬返を結ぶ日光電気軌道が開通し、この頃が足尾銅山と細尾峠の黄金期であったようで、この小さな祠はそれとなんらかのつながりがあるものなのか、今となってはわかるすべもありませんが、なかなか興味深い発見です。

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ともあれ、あとは緑や朽ちた標識たちを眺めながら汗をダラダラ流して漕ぎ進むのですが、細尾峠はいろは坂のようにカーブに番号が付けられている事と、それがなぜが英語表記なのがよくわからなくて面白い。あと、カーブミラーの頭がモゲてますが、モゲた頭はどこかというと、すぐ足元に転がっていてすでに半分以上埋もれているのがなんか和む。土に帰るとはまさにこの事。

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それから、歴史の遺物とも言えなくもないプルタブが外れるタイプのファンタの空き缶も発見。帰宅後にネットで調べてみたらどうやら1975年製造の物であるようです。ちなみにオレはこのデザインに「見覚えアリ!」(たらもと@昭和47年生まれ)。でもその頃はグレープ味が偏執的に好きでした。
…ずいぶんと話が脱線しましたが、足尾銅山が鉱脈の枯渇によって閉山するのが昭和48年(1973)との事ですので、その2年後に空き缶を捨てたのはもしかすると鉱山のトラックの運転手ではなく、観光客かな?…ただの妄想ですが。

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いよいよ峠が近づいてきた頃に、感情が一気に高ぶる遺物が目に飛び込んでくる。これこそ、道が道である事の証明であり、そしてかつての国道であった頃の遠い記憶。。色は落ちサビに身を蝕まれた満身創痍ながらも、峠のシンボルとしてここにその存在感を放っていた。【別枠に拡大画像表示】

…思うのですが、たぶん行政って「確信犯的に」こういった遺物を峠付近に残していますよね。もちろん大歓迎ですけどね!

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しかし、残念ながら肝心の峠にはクルマやオートバイが何台か路上駐車していておもいっきり雰囲気ブチ壊しで写真を撮るのにもだいぶ苦労しました(トリミングでカットしたけど左下にクルマが入ってる)。よく考えたら峠(鞍部)って必ず稜線に交差する場所で、ハイキングの尾根伝いルートへのアプローチに最適なモンだから、そりゃ必然的にそうなるわな。。というわけで雰囲気の良い鞍部の写真が撮りたい方は休日は避けたほうが無難です。

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さて、今度は下りに転じましたが、このあたりが古地図での「撫茶屋」だったあたりではないかと思いますが、ご覧の通りのクイックカーブの連続でまるで気分はジェットコースター。しかし調子に乗って高速でスルスルと降りてしまうと景色を見逃してしまったりしてモッタイナイ。極力ゆっくり走るよう注意して下ります。

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途中で年代がそぐわない新しい橋が架かっている事に気づき、もしやと思ってちょっと付近を調べてみるのですが…

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ああ。やっぱり本来の旧道はガードレールのそっちか。。

とまぁ成り行きでチャリを降り少し先まで歩いてみたのですが、擁壁に沿って平らな道が続き、途中に岩が転がり、最後はプッツリと崩れ落ちて終了でした。道が崩落したので橋を後から建設したようですね。ちなみにこのガードレール付近は芝や杉の若木が植えられていて人工的な植生による廃道化処置がされているようです。ウン。やっぱり旧道なのにちゃんとお金がかかっていて大事にされているよ。細尾峠。

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しばらく走り、また現れた橋は「日足跨道橋」。現道の上を跨いで通っており「ああ、朝通ったところか。」とようやく頭の中でつながる空間認識。ちなみにこの橋を渡ってぐるりと下りると現道との接続点に。

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日足跨道橋の下の日光側ゲート。一応ここが終点ですが、道はもう少し下って麓の集落まで地味に続いているのでまだ進みます。

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ようやく麓の集落が見えてきたあたりで、藪の中に何やら機能不全の標識を発見。ムムム!この逆三角形はもしや…?

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やっぱり。

恐らく、旧道に間違って入って来ちゃった人が混乱しないよう意図的にソッポを向かされているのではないかと思うのですが、これじゃまるで一発ぶん殴ったみたいでいくらなんでも仕事が雑すぎて標識が可哀想。。「最後の〆がこれかよ…」と思わなくもありませんが、でも樹木の陰で風雪を避けられているせいか、案外程度が良いのでオレ的にはこのままそっとしておくのもアリかと思わなくもありません。
さて、豊かな自然と歴史のあるかつての国道跡を辿る細尾峠のサイクリングはいかがでしたでしょうか。まぁ、この道路が主役に戻る事はもう無いかもしれませんが、もしかすると、トンネルの事故や災害などで現道の通行が困難になった場合に、陸の孤島化を回避するための代替路として再利用される事も考えられますし、ハイキングコースとして僅かな予算を獲得しなんとか最低限の維持ができて廃道化を免れているだけでも、この道は現役を退いてなお充分に幸運な道路だと感じた次第です。

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