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わすら雑記
趣味の工作、DIY等の雑記
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たらもと

Author:たらもと
「わすら」とは関東地方の一部で使われる方言で、標準語でいうところの「いじくる」の意味なのですが、このブログでは日曜大工をベースに趣味の範囲でいじくれそうな物を色々とわすらしてゆきます。



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珍宝・鞍掛峠(廃道)


宇都宮市新里町と日光市猪倉を結ぶ栃木県道22号大沢宇都宮線にある鞍掛峠は平成9年(1997)のトンネル開通により旧道となるも、峠の小さな祠には御神体が取り残され、時の流れとともに廃れゆくまま、すっかり往来のなくなった道路を今なお見守り続けていた。



トンネルの旧道区間となる鞍掛峠は全長1.6km、平均勾配7%と、現代の県道としてはやや厳しい設計ですが、改良工事は昭和26年(1951)と、モータリゼーション期以前のものであり、そのあたりがまた時代が感じられてなかなか味わい深いものがあるように思います。ちなみにそれ以前(マウスカーソルオンで画像切替)は現在の旧道と概ね同じルートで、明治時代は馬車道、大正時代末期~昭和初期になってようやく県内各地でバスの運行が始まったようで、近隣住民の方々からの強い要望もあり大幅な改良が加えられたようです(後述)。

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そんなわけで、今回のコースは栃木県道22号(新里街道)の日光市側の起点から、宇都宮市側の終点まで辿ってみたいと思います。

cy_krkktg_c.jpg

さて、一応現道である鞍掛トンネルを先にご紹介しておきます。冒頭でも書きましたが平成9年(1997)開通という新しいトンネルですので、現代の県道規格であり、ちゃんと歩道も用意されチャリにも比較的優しいのですが、やっぱり「チャリ乗りはトンネルが嫌い!(笑)」暗くて、狭くて、コンクリの湿った臭いと排ガスがたちこめ、すぐ脇をクルマがビュンビュン通って怖いしウルサイのが嫌なのです。ですので別に旧道マニアでなくとも「旧道が残っていてくれると助かる」という人は結構いるのでは?

cy_krkktg_d.jpg

ここが旧世界への入り口です。一応廃道という事になっていますが、ゲートがあるわけでも立入禁止措置が取られているわけでもなく、アッサリ普通に通れますので「廃道」ではなく「旧道」という表現が正しいと思います。というか、廃止後まだ20年しか経っていない比較的新しい旧道ですのでそれほど荒れてはいませんし、何を隠そうオレもここが現役の道路だった頃にクルマで通ってますからね(笑)

cy_krkktg_e.jpg

中に入るとやや緑が濃いですが概ね状態は良好。センターラインが消えかかってますが路面はまだまだイケそうな感じです。

cy_krkktg_f.jpg

ゆるゆると登ってゆくと途中で現れる営林署の看板。現在のこの道に肩書きを付けるとするならば、林道ということに。。とはいえ旧道が残りうる可能性の一つとして、林道化は有力ですよね。完全消滅よりはこうして残存する理由があるだけまだマシでしょう。

cy_krkktg_g.jpg

幅員はもともと広くはなかっただろうけど、落葉や植物の繁茂で一層狭くなりつつあり、さらに追い討ちをかけるように、通行者は道路の真ん中あたりを通るから二本の轍がなおさら狭さを強調しているかのようです。

cy_krkktg_h.jpg

途中の分岐が「おおっ!」と思わせますが、これは電波塔の管理道路(地理院の地図に記号がある)ですのでムリして侵入する必要もないですよ。

cy_krkktg_i.jpg

ほどなくして峠に到着。ここには御神体を祭る祠と、当時の遺物である標識が残っていて往時を思わせる良い雰囲気です。今はなき「今市市(2006年に日光市に合併)」の標識がまた良い味出してます。
ほとんど人が通らない薄暗い山中でありながら、どこか懐かしくて暖かいノスタルジックな感覚を覚えるのはこうした遺物がそのまま残っているからかと思うのですが、もしかすると行政もあえてそれらを撤去しなかったのかも。だって神様がここに残っておられるのですからね。さみしいでしょ。

cy_krkktg_j.jpg

そしてこちらが神様が祭られている祠です。自分も今や数少ない通行人のひとりとして峠の神様にぜひご挨拶したいと思います。

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というわけで、ご開帳。こちらが鞍掛峠を見守る道祖神様です。お姿がまさに珍宝そのものですが、道祖神という神様は珍宝や満光の姿であったり、その土地それぞれの特徴があり千差万別なところが興味深いですね。
それから、皆さんは「コルァ!たらもと!オメー勝手に扉を開けて撮影してんじゃねーよ」と思われるでしょうが、祠の中の賽銭受けにお賽銭を入れるには扉(施錠はされていません)を開かなくてはならないのでその時に撮影させていただきました。きちんと手を合わせて礼拝しておりますのでご心配には及びません。

cy_krkktg_m.jpg

峠を後にし宇都宮側に降りてみたらやけに路面の状態が良く白いラインもクッキリ。それと、太い桜の木が残っていて良い感じ。昔の人の心遣いのようなものを感じて和みます。

cy_krkktg_l.jpg

それから、路傍に記念碑が建立されていて歴史ロマンに触れるウレシイ物証の登場です。しかも漢文じゃないからオレでも読める(笑)まぁ藪に埋もれて全部は読めないのですが、先に書いたとおり、この道路は当時近隣の方々の強い要望があって改良された歴史があり、石碑にはその件について当時の栃木県知事の述懐が記されているのですが、要望書の詳細が今市町史に記載されているのでここに転載しておきます。

府県道宇都宮大沢線中路線の一部変更方請願意見書
本路線中一部箇所変更に関しては昭和二十二年六月二十六日附宇都宮-鬼怒川線剣道編入並改修請願書を以て願出の通り
一、府県道宇都宮大沢線中
大沢村大字猪倉三、二二ノ一番地先より府県道(大沢を起点とする)下野大沢停車場線との分岐点に達する延長(実測)二、五〇九米の現府県道は村道猪倉-大沢線の改修工事完了を以て以来全く価値を失ひ、当該路線の現在は勿論将来委に於いても一般交通運輸上に何等の意義を有せざるものと確認す
二、村道猪倉-大沢線
府県道宇都宮大沢線中大字上猪倉三、二二六ノ一番地先より大字大沢一六四番地先に於いて府県道宇都宮-日光線に合する延長(実測)三、〇八八米、幅員四・六米の現村道は改修完成の結果
(イ)大沢村中心部たる村役場、村農業会、村立中学校を始免更に今市日光町方面と南各部落とを直結する交通運輸上必須の重要路線となる事
(ロ)村農業会の施設たる農業倉庫猪倉支庫とを結ぶ食料、肥料、林産物輸送の動脈とも云ふべき条件を具備する路線なる事
(ハ)府県動宇都宮-大沢線中鞍掛峠の改修の暁には更に一層の交通運輸送量の増強を招来し社会大衆の福祉増進に絶対的なる事
右事由に鑑み府県道の意義と関係地元民大衆の総意に基づく永年に亘る要望を再確認致され、是が変更実現相成度く滋に謹んで御懇願申上ぐる次第に御座います
昭和二十二年九月十六日
栃木県知事 小平重吉殿


cy_krkktg_o.jpg

そろそろ現道を走るクルマの音が大きくなってきましたが、宇都宮側の入り口付近はだいぶ緑の侵略が進んでいるようです。単に日当たりが良いせいなのかもしれませんけどね。

cy_krkktg_p.jpg

そしてここが旧道と現道との合流ポイント。実はこの旧道が廃道ではない決定的な証拠がこの写真の中にあるのですが…それは「止まれ」の文字がちゃんと新たに書き直されている事…です。つまりここから現道に合流する者のために書いている。従って、ここは放置はされてはいない!まだ生きてる!

ともあれ今日は、ささやかではありますが、道にも、自分にも、
ここに来て良かったなぁ。としみじみ感じました。
道はこうして誰かが通っている限り、道であり続けられるのですから。

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